■「高機能自閉症で、神経内科医の診断書で障害厚生年金2級に認定されたケース」 宝塚市 障害厚生年金2級

 

相談者 女性(40代) / 無職 / 大阪市
傷病名 高機能自閉症
決定した年金種類と等級 障害厚生年金2級
その他 #無就業

症状・経過

幼少期より人が苦手で人見知りが激しく、家族以外の人とは接触が困難であった。

幼稚園は1回行くと体調不良で3~5日休んでいた。この頃より、大きな音(バイクや飛行機、電車内のブレーキ音、足音やドアの開閉、BGM等)や蛍光灯や太陽光、食べ物の匂いや添加物、手触りに対する感覚過敏が顕著であり、成人後の現在まで続いている。

小・中学・高校時代も周りからは変わっている子と思われていた。

高校卒業後、昼は病院で働き、夜は専門学校に通うという生活になったが、ある事件に巻き込まれたたため、精神的に不安定となり、よどんだ日常を送っていた。家族には素を見せることは出来ず、気丈に振舞った。

全身の倦怠感や不安感、焦燥感があった為、また同僚の勧めも有り、平成18年7月に心療内科受診したが、この1回きりで、その後5年以上通院は無かった。

その後も、経常的な倦怠感や疲労感、不安感、抑うつ状態にあった為、平成28年9月に神経内科を受診し、医師からは対人の仕事は向いていないと指摘され、仕事の継続は困難であると助言を受けた。

平成30年3月に工場での検査業務での就労中に眩暈で倒れ休みがちとなった。工場の照明やトイレの匂い、食堂での人ゴミで嘔吐を起こすことが多かった。

その後就労の継続は困難となり、平成31年2月に会社より残りの契約日数分の給与と引き換えに退職を言い渡された。

申請結果

障害年金受給年額:約112円(障害厚生年金2級)

 

社労士の意見・感想 

当事務所にご相談に来られる前、ご本人様は社会的治癒の適用の是非に悩まれていたようでした。

①診断名は発達障害であること、②初診のクリニックにカルテは残っている事、③社会的治癒が認められたとしてもメリットが小さいこと(社会的治癒が認められた場合での認定日以後数年は就労しており、遡及の可能性が望み薄)から、通常のオーソドックスな方法での請求を提案しました。

 

初診のクリニックはカルテは残っており、初診の証明は難なくクリアできました。

現在の通院先は「精神科」「心療内科」ではなく、「神経内科」となっていました。当該医療機関は兵庫県の自立支援医療の指定医療機関(精神通院医療)になっていましたが、「精神科」「心療内科」は標榜しておらず、精神の診断書の認定に若干の懸念がありましたが、精神の診断書の記入上の注意にて、

「てんかん、知的障害、発達障害、認知症、高次脳機能障害など診療科が多岐に分かれている疾患について、小児科、脳神経外科、神経内科、リハビリテーション科、老年科などを専門とする医師が主治医となっている場合、これらの科の医師であっても、精神 ・ 神経 障害の診断又は治療に従事している医師であれば記入可能です。 」

となっていることから、問題はないと判断し、診断書を依頼致しました。(他事務所の社労士にも、当該医療機関における発達障害の認定実績の有無についても念のため確認しました。)

診断書には「感覚過敏」「失認」「サバン症候群」等の記載があり、「自力での日常生活は困難」との内容から、2級認定は間違いないと判断しました。

約3か月の審査機関を経て、2級の年金証書がご本人様に届き、ご本人様よりご報告の電話を頂きました。

 

これまで就労と離職を繰り返していたことが、症状の不安定を生んでいたようですので、これを機に一度ゆっくりの療養に専念をされるようです。

 

 

→本事例のお客様の声はこちら