「統合失調症で就労継続支援B型事業所に通所中であったが2級に認定されたケース」統合失調症 大阪市 障害基礎年金2級

相談者 女性(40代) /無職 / 大阪市
傷病名 統合失調症
決定した年金種類と等級 障害基礎年金2級
その他 #就労継続支援B型 #20歳前傷病

症状・経過

明確なきっかけは無く、9歳頃より、黒い影に付きまとわれ支配される等の妄想が出現。命令(幻聴)に従うことがあったようでした。

高校1年生頃になると、周りに自分の考えが伝わり、隣の子の考えも自分の頭の中に響いてくる感覚が出現、対人緊張で授業に集中出来なくなりました。

母親やクラスの担任に相談するも理解されず、この時点で総合病院の精神科を受診。服薬しながら高校生活を継続するも授業には集中できず。

高校卒業後に予備校に通い大学に合格。この期間も通院は継続しておられました。

大学卒業後、就職するも、症状により長期継続的な就労には至らず、短期間での就職と退職を繰り返しておられました。通院も継続はしておられましたが、状態は一進一退で、時には自傷行為で入院に至ることもあったようです。

その後、ご結婚されましたが症状に大きな改善は見られず、就労は困難な状況になり、就労継続支援B型事業所への通所を開始。

この段階で障害年金の存在を知り、ご主人と一緒にご相談でご来所頂きました。

申請結果

障害年金受給年額:約78円(障害基礎年金2級) 

社労士の意見・感想 

初診日はかなり前でしたがカルテは残存しており、受診状況等証明書は取得することができました。20歳前の初診でしたので保険料の納付は問題になりませんので、残る論点は「障害等級が2級になるか」となって参ります。

現在の通院先の主治医には障害年金の申請については話をされていなかったようでしたので、一度話をして頂くと「診断書は作成可能」、「だが就労継続支援B型事業所に通所しているが認定に不利にならないか」「等級は国が決める事なので。。」とのことでした。ごもっともな意見かと思います。就労継続支援B型事業所へ通所に関しては、週5日の通所で工賃も支給されておりましたが、あくまで福祉的就労ですので、等級認定に大きな影響は与えないと考えました。

 

福祉的就労形態のまとめ

就労移行支援 就労継続支援A型 就労継続支援B型

障害者雇用(特例子会社)

制度の目的 ・働くために必要な知識やスキルの習得

・就職後の職場への定着

・就労の機会の提供

・知識及び能力の向上のために必要な訓練

・障害者の雇用義務等に基づく雇用の促進

・障害者の能力の有効な発揮

・障害者と障害者でない者との均等な機会及び待遇の確保

・障害者の職業の安定

対象となる方 一般企業(障害者雇用含む)への就職することを希望する方 現時点で一般企業(障害者雇用含む)での就労が困難な方 障害者手帳を所持している方
年齢制限 65歳未満 18歳以上65歳未満 なし

なし

(会社の就業規則による)

雇用契約 なし あり なし あり
賃金

なし

(事業所によっては数千円~程度あり)

79,625円/月

899円/時間

15,776円/月

222円/時間

あり

(金額は会社による。フルタイムの場合は、就労継続支援A型よりも多いケースが多い)

期間 2年以内 なし
障害者手帳の要否

必要

(精神疾患の場合、医師の診断書や自立支援医療受給者証でも可能な場合有り)

必要

(精神疾患の場合、医師の診断書や自立支援医療受給者証でも可能な場合有り)

必要

(精神疾患の場合、医師の診断書や自立支援医療受給者証でも可能な場合有り)

必要
利用料金 本人と配偶者の前年度の年収による なし

厚生労働省資料 障害者の就労支援対策の状況「平均賃金に実績について・令和2年平均工賃(賃金)」による

 

ご本人様の状況を診断書と病歴・就労状況等申立書に落とし込めるようにヒアリングをさせて頂き、各書類を整備しました。

結果としては、就労継続支援B型事業所への通所は問題とならず、障害基礎年金2級での認定でした。診断書は2級と3級(今回は障害基礎年金での請求の為、3級の場合は不支給となる)の間くらいの内容でしたが、統合失調症は精神疾患の中では、他疾患と比較すると認定されやすい傾向にあると考えています。この疾患毎の認定の難易度に関しては、また別の機会に記事としてまとめたいと思います。

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