障害年金をもらえない人というのは、精神疾患ではどのようなケースでしょうか?

精神疾患での申請のご相談をお受けする中で、「申請をしてみても障害年金はもらえない」と判断せざるを得ないケースはいくつかあります。

代表的なパターンとしては以下があげられます。

1.初診日を特定できない人

「初診の時期が古すぎて病院名も思い出せない」、「第三者証明、領収書、診察券、2つ目以降の医機期間等、何の手掛かりも何もない」という場合は申請ができずに頓挫するケースがあります。

何かしらの年月日がわかれば、保険料納付・加入状況によっては申請できるケースがあります。

また「年月日」まで特定する必要はなく、「〇年〇月頃」、「〇年頃」という所まで特定できれば、認定されるケースがあります。

2.保険料の未納が多い人

障害年金は日本年金機構を保険者とする保険制度になりますので、20歳になり被保険者になった後は毎月の保険料を納付している必要があります。

ただ、未納(保険料を納付していない)期間があるからと言って直ちにNGになるわけではなく、以下の2つの要件①②のうち、いずれか一方を満たしていればよいことになります。

要件① 初診日の属する月の前々月までの被保険者期間のうち3分の2以上の期間が「納付」又は「免除」※されている。

②初診日の属する月の前々月以前直近1年間が「納付」又は「免除」されている。※1

※1「納付」又は「免除」の手続きは初診日の前日までに行われている必要があります。初診日より後に行われた「納付」又は「免除」の手続は障害年金の申請においては「納付」又は「免除」扱いにはなりません。

なお、20歳未満で初診日がある場合は、そもそも保険料の納付義務がありませんので、納付要件は必然的にOKとなります。

3.障害等級に該当しない人

障害年金には等級があり、症状の重い順に1級・2級・3級・障害手当金とあります。

初診日の時点で国民年金加入中である場合は、20歳前に初診日がある場合は1級か2級に認定されなければ障害年金はもらえません。主に学生や無職、フリーター、配偶者の扶養に入っている方は国民年金加入中になります。

初診日の時点で厚生年金加入中である場合は、1級・2級・3級・障害手当金が該当します。初診日の時点で国民年金加入中であった方と比較すると、3級と障害手当金が適用されますので、症状がそこまで重症でなくても、障害年金をもらえることになります。

障害等級は最終的には日本年金機構の審査で決定しますので、「絶対〇級になる」、「絶対不支給だ」というのは一概には言えませんが、製紙疾患での申請においては「パート就労中での2級認定」や「会社員で一般枠でのフルタイム就労中での3級認定」は難しいケースが多いです。

詳細は「仕事をしていて、収入がある状態でももらえますか?」も参照下さい。

 

4.障害認定日をまだ迎えていない人

障害認定日とは、初診日から起算して1年6か月を経過した日、又は1年6か月以内に傷病が治った場合はその治った日(傷病が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日を含む)をいいます。

ただし、以下の場合、特例として1年6か月待つことなく請求手続きができます。(精神疾患にこの特例はありません。)

・人工透析療法を行っている場合は、透析を受け始めてから3か月を経過した日

・人工骨頭または人工関節を挿入置換した場合は、挿入置換した日

・心臓ペースメーカー、植込型徐細動器(ICD)または人工弁を装着した場合は、装着した日

・人工肛門または新膀胱の造設、尿路変更術を施術した場合は、造設または手術施行の日

切断または離断による肢体の障害は、原則として切断または離断した日(障害手当金または旧法の場合は、創面が治癒した日)

・喉頭全摘出の場合は、全摘出した日

・在宅酸素療法を行っている場合は、在宅酸素療法を開始した日

・脳血管疾患による肢体障害等であって、初診日から6か月経過後の症状固定日(初診日から6か月経過で一律障害認定となるわけでなく、診断書等に「症状固定」や「回復見込みなし」等の記載があれば、例外的に障害認定の審査がうけられるもの)

・人工血管または人工心臓(補助人工心臓含む)の装着、または心臓移植の施術を受けた場合は、装着または施術の日

・現在の医学では、根本的治療方法がない疾病であり、今後の回復は期待できず、初診日から6月経過した日以後において気管切開下での人工呼吸器(レスピレーター)使用、胃ろう等の恒久的な措置がおこなわれており、日常の用を弁ずることができない状態であると認められるとき

・遷延性植物状態については、その障害の状態に至った日から起算して3か月を経過した日以降に、医学的観点から、機能回復がほとんど望めないと認められるとき

 

4.障害年金の対象傷病ではない人

メンタル疾患においては、障害年金の対象の傷病名と対象でない傷病名があります。

「精神障害」「発達障害」「知的障害」に分類される傷病名は対象になりますが、「神経症」や「人格障害」等に分類される傷病名は対象外となります。

傷病名については医師や医療機関によって呼称に差異がありますので、最終的には各傷病に割り振られた「ICD-10コード」で判断することになります。

障害年金の対象となる傷病名
ICD-10コード 傷病名
F20 統合失調症
F20.0 妄想型統合失調症
F20.1 破瓜型統合失調症
F20.2 緊張型統合失調症
F20.3 型分類困難な統合失調症
F20.4 統合失調症後抑うつ
F20.5 残遺型統合失調症
F20.6 単純型統合失調症
F20.8 その他の統合失調症
F20.9 統合失調症,詳細不明
F21 統合失調症型障害
F22 持続性妄想性障害
F22.0 妄想性障害
F22.8 その他の持続性妄想性障害
F22.9 持続性妄想性障害,詳細不明
F23 急性一過性精神病性障害
F23.0 統合失調症症状を伴わない急性多形性精神病性障害
F23.1 統合失調症症状を伴う急性多形性精神病性障害
F23.2 急性統合失調症様精神病性障害
F23.3 その他の妄想を主とする急性精神病性障害
F23.8 その他の急性一過性精神病性障害
F23.9 急性一過性精神病性障害,詳細不明
F24 感応性妄想性障害
F25 統合失調感情障害
F25.0 統合失調感情障害,躁病型
F25.1 統合失調感情障害,うつ病型
F25.2 統合失調感情障害,混合型
F25.8 その他の統合失調感情障害
F25.9 統合失調感情障害,詳細不明
F28 その他の非器質性精神病性障害
F29 詳細不明の非器質性精神病
F30 躁病エピソード
F30.0 軽躁病
F30.1 精神病症状を伴わない躁病
F30.2 精神病症状を伴う躁病
F30.8 その他の躁病エピソード
F30.9 躁病エピソード,詳細不明
F31 双極性感情障害<躁うつ病>
F31.0 双極性感情障害,現在軽躁病エピソード
F31.1 双極性感情障害,現在精神病症状を伴わない躁病エピソード
F31.2 双極性感情障害,現在精神病症状を伴う躁病エピソード
F31.3 双極性感情障害,現在軽症又は中等症のうつ病エピソード
F31.4 双極性感情障害,現在精神病症状を伴わない重症うつ病エピソード
F31.5 双極性感情障害,現在精神病症状を伴う重症うつ病エピソード
F31.6 双極性感情障害,現在混合性エピソード
F31.7 双極性感情障害,現在寛解中のもの
F31.8 その他の双極性感情障害
F31.9 双極性感情障害,詳細不明
F32 うつ病エピソード
F32.0 軽症うつ病エピソード
F32.1 中等症うつ病エピソード
F32.2 精神病症状を伴わない重症うつ病エピソード
F32.3 精神病症状を伴う重症うつ病エピソード
F32.8 その他のうつ病エピソード
F32.9 うつ病エピソード,詳細不明
F33 反復性うつ病性障害
F33.0 反復性うつ病性障害,現在軽症エピソード
F33.1 反復性うつ病性障害,現在中等症エピソード
F33.2 反復性うつ病性障害,現在精神病症状を伴わない重症エピソード
F33.3 反復性うつ病性障害,現在精神病症状を伴う重症エピソード
F33.4 反復性うつ病性障害,現在寛解中のもの
F33.8 その他の反復性うつ病性障害
F33.9 反復性うつ病性障害,詳細不明
F34 持続性気分[感情]障害
F34.0 気分循環症<Cyclothymia>
F34.1 気分変調症<Dysthymia>
F34.8 その他の持続性気分[感情]障害
F34.9 持続性気分[感情]障害,詳細不明
F38 その他の気分[感情]障害
F38.0 その他の単発性気分[感情]障害
F38.1 その他の反復性気分[感情]障害
F38.8 その他の明示された気分[感情]障害
F39 詳細不明の気分[感情]障害
F70 軽度知的障害<精神遅滞>
F70.0 軽度知的障害<精神遅滞>,行動面の機能障害がないか最小限であると言及されている
F70.1 軽度知的障害<精神遅滞>,手当て又は治療を要するほどの行動面の機能障害
F70.8 軽度知的障害<精神遅滞>,行動面のその他の機能障害
F70.9 軽度知的障害<精神遅滞>,行動面の機能障害が言及されていない
F71 中等度知的障害<精神遅滞>
F71.0 中等度知的障害<精神遅滞>,行動面の機能障害がないか最小限であると言及されている
F71.1 中等度知的障害<精神遅滞>,手当て又は治療を要するほどの行動面の機能障害
F71.8 中等度知的障害<精神遅滞>,行動面のその他の機能障害
F71.9 中等度知的障害<精神遅滞>,行動面の機能障害が言及されていない
F72 重度知的障害<精神遅滞>
F72.0 重度知的障害<精神遅滞>,行動面の機能障害がないか最小限であると言及されている
F72.1 重度知的障害<精神遅滞>,手当て又は治療を要するほどの行動面の機能障害
F72.8 重度知的障害<精神遅滞>,行動面のその他の機能障害
F72.9 重度知的障害<精神遅滞>,行動面の機能障害が言及されていない
F73 最重度知的障害<精神遅滞>
F73.0 最重度知的障害<精神遅滞>,行動面の機能障害がないか最小限であると言及されている
F73.1 最重度知的障害<精神遅滞>,手当て又は治療を要するほどの行動面の機能障害
F73.8 最重度知的障害<精神遅滞>,行動面のその他の機能障害
F73.9 最重度知的障害<精神遅滞>,行動面の機能障害が言及されていない
F78 その他の知的障害<精神遅滞>
F78.0 その他の知的障害<精神遅滞>,行動面の機能障害がないか最小限であると言及されている
F78.1 その他の知的障害<精神遅滞>,手当て又は治療を要するほどの行動面の機能障害
F78.8 その他の知的障害<精神遅滞>,行動面のその他の機能障害
F78.9 その他の知的障害<精神遅滞>,行動面の機能障害が言及されていない
F79.0 詳細不明の知的障害<精神遅滞>
F79.1 詳細不明の知的障害<精神遅滞>,行動面の機能障害がないか最小限であると言及されている
F79.8 詳細不明の知的障害<精神遅滞>,行動面のその他の機能障害
F79.9 詳細不明の知的障害<精神遅滞>,行動面の機能障害が言及されていない
F80 会話及び言語の特異的発達障害
F80.0 特異的会話構音障害
F80.1 表出性言語障害
F80.2 受容性言語障害
F80.3 てんかんを伴う後天性失語(症)[ランドウ・クレフナー症候群]
F80.8 その他の会話及び言語の発達障害
F80.9 会話及び言語の発達障害,詳細不明
F81 学習能力の特異的発達障害
F81.0 特異的読字障害
F81.1 特異的書字障害
F81.2 算数能力の特異的障害
F81.3 学習能力の混合性障害
F81.8 その他の学習能力発達障害
F81.9 学習能力発達障害,詳細不明
F82 運動機能の特異的発達障害
F83 混合性特異的発達障害
F84 広汎性発達障害
F84.0 自閉症
F84.1 非定型自閉症
F84.2 レット<Rett>症候群
F84.3 その他の小児<児童>期崩壊性障害
F84.4 知的障害〈精神遅滞〉と常同運動に関連した過動性障害
F84.5 アスペルガー<Asperger>症候群
F84.8 その他の広汎性発達障害
F84.9 広汎性発達障害,詳細不明
F88 その他の心理的発達障害
F89 詳細不明の心理的発達障害

 

障害年金の対象とならない傷病名 ※2
ICD-10コード 傷病名
F40 恐怖症性不安障害
F40.0 広場恐怖(症)
F40.1 社会恐怖(症)
F40.2 特定の[個別的]恐怖(症)
F40.8 その他の恐怖症性不安障害
F40.9 恐怖症性不安障害,詳細不明
F41 その他の不安障害
F41.0 恐慌性<パニック>障害[挿間性発作性不安]
F41.1 全般性不安障害
F41.2 混合性不安抑うつ障害
F41.3 その他の混合性不安障害
F41.8 その他の明示された不安障害
F41.9 不安障害,詳細不明
F42 強迫性障害<強迫神経症>
F42.0 主として強迫思考又は反復思考
F42.1 主として強迫行為[強迫儀式]
F42.2 混合性強迫思考及び強迫行為
F42.8 その他の強迫性障害
F42.9 強迫性障害,詳細不明
F43 重度ストレスへの反応及び適応障害
F43.0 急性ストレス反応
F43.1 外傷後ストレス障害
F43.2 適応障害
F43.8 その他の重度ストレス反応
F43.9 重度ストレス反応,詳細不明
F44 解離性[転換性]障害
F44.0 解離性健忘
F44.1 解離性遁走<フーグ>
F44.2 解離性昏迷
F44.3 トランス及び憑依障害
F44.4 解離性運動障害
F44.5 解離性けいれん<痙攣>
F44.6 解離性無感覚及び感覚脱失
F44.7 混合性解離性[転換性]障害
F44.8 その他の解離性[転換性]障害
F44.9 解離性[転換性]障害,詳細不明
F45 身体表現性障害
F45.0 身体化障害
F45.1 分類困難な身体表現性障害
F45.2 心気障害
F45.3 身体表現性自律神経機能不全
F45.4 持続性身体表現性疼痛障害
F45.8 その他の身体表現性障害
F45.9 身体表現性障害,詳細不明
F48 その他の神経症性障害
F48.0 神経衰弱
F48.1 離人・現実感喪失症候群
F48.8 その他の明示された神経症性障害
F48.9 神経症性障害,詳細不明
F60 特定の人格障害
F60.0 妄想性人格障害
F60.1 統合失調症質性人格障害
F60.2 非社会性人格障害
F60.3 情緒不安定性人格障害
F60.3a 衝動型人格障害
F60.3b 境界型人格障害
F60.3c その他の情緒不安定性人格障害
F60.3d 情緒不安定性人格障害,詳細不明
F60.4 演技性人格障害
F60.5 強迫性人格障害
F60.6 不安性[回避性]人格障害
F60.7 依存性人格障害
F60.8 その他の特定の人格障害
F60.9 人格障害,詳細不明
F61 混合性及びその他の人格障害
F62 持続的人格変化,脳損傷及び脳疾患によらないもの
F62.0 破局体験後の持続的人格変化
F62.1 精神科疾患り患体験後の持続的人格変化
F62.8 その他の持続的人格変化
F62.9 持続的人格変化,詳細不明
F63 習慣及び衝動の障害
F63.0 病的賭博
F63.1 病的放火[放火癖]
F63.2 病的窃盗[盗癖]
F63.3 抜毛癖
F63.8 その他の習慣及び衝動の障害
F63.9 習慣及び衝動の障害,詳細不明
F64 性同一性障害
F64.0 性転換症
F64.1 両性役割服装倒錯症
F64.2 小児<児童>期の性同一性障害
F64.8 その他の性同一性障害
F64.9 性同一性障害,詳細不明
F65 性嗜好の障害
F65.0 フェティシズム
F65.1 フェティシズム的服装倒錯症
F65.2 露出症
F65.3 窃視症
F65.4 小児性愛
F65.5 サドマゾヒズム
F65.6 性嗜好の多重障害
F65.8 その他の性嗜好の障害
F65.9 性嗜好の障害,詳細不明
F66 性発達及び方向づけに関連する心理及び行動の障害
F66.0 性成熟障害
F66.1 自我異和的性の方向づけ
F66.2 性関係障害
F66.8 その他の心理的性発達障害
F66.9 心理的性発達障害,詳細不明
F68 その他の成人の人格及び行動の障害
F68.0 心理的理由による身体症状の発展
F68.1 身体的,心理的症状又は障害の意図的表現又は偽装[虚偽性障害]
F68.8 その他の明示された成人の人格及び行動の障害
F69 詳細不明の成人の人格及び行動の障害

※2傷病名が神経症であっても、医師が「統合失調症、統合失調症型障害および妄想性障害」または「気分(感情)障害」の病態を示している」と認めている場合、その旨を診断書に記載してもらうことで、認定されるケースがあります。

(本回答は、2022年4月時点でのものです。)

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社会保険労務士 濱路陽平

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