郵便局では病気休暇はどれくらいの日数取得できるの?休職との違いは何?
「郵便局に勤務していて病気になった場合、病気休暇はあるの?」
この記事の監修者
濱路陽平 社会保険労務士
濱路社労士事務所、代表社会保険労務士の濱路陽平です。
大阪市内・阪神間・北摂エリア・京阪沿線沿いを中心に障害年金のご相談・申請代行・審査請求に注力しています。
障害年金制度を世の中に広め、障害によって働けない人達が豊かな生活を維持できるようになること、一人でも多くの必要としている方にこの制度をお届けすることをモットーに、研鑽に努めて参ります。
質問
勤続20年目の郵便局員です。メンタルの病気(適応障害・うつ病)で、現在病気休暇中です。 通院先の主治医からは現時点では復職はまだ難しいと言われており、職場の産業医、就業支援委員会でも同様のことを言われております。 病気休暇はいつまでとれるのでしょうか。また病気休暇終了後は休職となりますが、手当や公的な補助等はあるのでしょうか。
初診日が郵便局(国家公務員共済)在籍時にある方のご相談・ご依頼は全国から承っております。
回答
日本郵政の職員の方は、休暇制度や各手当については一般企業よりも手厚い傾向にあります。出勤が難しくなった場合でも経済的に不安定にならないように、各制度を活用していくことが重要となります。
病気休暇
病気休暇制度が設けられており、医師の「就労不能」の診断書により休むことができます。 病気休暇の上限期間は
・正社員の病気休暇90日(勤続10年以上は180日)
・アソシエイト社員(無期雇用社員)に30日付与(勤続10年以上は60日付与)
となっています。 この病気休暇の間、給料は満額出ることになります。 病気休暇満了後も復職が難しい場合は、下記の手当金や各制度を利用・申請することになります。
傷病手当金
上記の病気休暇終了後、引き続き療養のため勤務に服することができない時は、医師の「就労不能」の診断書により職場は休職扱いとなります。(休職は3年で期間満了となり、自然退職となります。)
休職中は一般的には健康保険に対して傷病手当金を申請することになります。傷病手当金の金額は大まかにはこれまでの給料の66%(2/3)ですが、在職中である場合はここから厚生年金保険料や健康保険料、住民税を負担する必要がありますので手元に残るお金はもう少し低くなります。
傷病手当金の支給期間は、
結核性以外の病気やけが・・・・・1年6月間(待機3日)
結核性(※)の病気・・・・・・・3年間
となります。
傷病手当金の支給期間満了後、引き続き療養のため勤務に服することができない時は、在職中に限り更に6か月間、傷病手当金附加金が請求できます。ただし、給付期間満了前に退職した場合は、請求できるのは退職日までとなります。
以前は傷病手当金附加金を含めた傷病手当金が最大2年間給付された後、残りの1年間の休職期間中は給料の80%が手当として支給されていたようですが、現在ではこの制度はなくなっているようです。 この他、出勤が困難になった際に利用する制度として有給休暇と障害年金があります。
有給休暇
有給休暇は理由を問わず取得でき、労働基準法で定められた労働者の権利です。そのため、有給休暇を取得する際に理由を説明する必要はありません。
当然、病気で出勤が難しい際も医師の診断書を要さず、有給休暇で休むことができます。
(1)通常の労働者の有給休暇の付与日数
継続勤務日(年) | 0.5 | 1.5 | 2.5 | 3.5 | 4.5 | 5.5 | 6.5以上 |
付与日数(日) | 10 | 11 | 12 | 14 | 16 | 1618 | 20 |
(2) 週所定労働日数が4日以下かつ週所定労働時間が30時間未満の労働者の付与日数
週所定 労働日数 | 1年間の 所定労働日数 | 継続勤務年数(年) | |||||||
0.5 | 1.5 | 2.5 | 3.5 | 4.5 | 5.5 | 6.5 | |||
付与 日数 | 4日 | 169日~216日 | 7 | 8 | 9 | 10 | 12 | 13 | 15 |
3日 | 121日~168日 | 5 | 6 | 6 | 8 | 9 | 10 | 11 | |
2日 | 73日~120日 | 3 | 4 | 4 | 5 | 6 | 6 | 7 | |
1日 | 48日~72日 | 1 | 2 | 2 | 2 | 3 | 3 | 3 |
障害年金
障害年金は初めて病院を受診してから1年6か月経過した段階で、日常生活や労働が困難である場合に申請できる国の制度です。 こちらは医師の診断書のほかに様々な必要書類があり、申請手続きは複雑になります。
受給の要件や金額については下記で詳しく説明しています。
各制度の申請の順序
有給休暇が余っている場合、職場からは病気休暇の前に先に有給休暇の消化を推奨されるケースが多く、その後に病気休暇→休職(傷病手当金)→障害年金の順番になるケースが多いようです。
(下記は有給休暇が30日残っている場合) ※1 傷病手当金は3日間の待機期間経過後に支給となります。
※2 在職中は傷病手当金附加金が6ヶ月追加で受給できる場合があります。
制度間の併給調整・留意点
ご病状が長引き、有給休暇・病気休暇・休職中の傷病手当金の順番で受給を終えると、障害年金を請求することになります、
障害年金の遡及請求を行って遡及分も認定された場合、初診から1年6か月経過した時点に遡って受給権が発生することになります。
この際、障害年金と傷病手当金の受給期間が重複する場合があります。重複した期間に関しては返金処理が発生します。(傷病手当金の日額と障害年金額÷360を比較して、傷病手当金の日額が多い場合は重複期間分の障害年金の金額分を返金、傷病手当金の日額が少ない場合は傷病手当金の日額分を返金)
一方で、障害年金は職場からの給料(有給休暇や病気休暇)とは調整はされませんので、障害年金が申請できるまでの初診日から1年半は傷病手当金を受給し、その後に有給休暇の利用と病気休暇を利用した場合、障害年金と傷病手当金の受給期間が重複しない為、返金は発生せず経済的には最も有利となります。
ただ、職場からの指示(有給休暇や病気休暇の優先的利用)や慣習がありますので、実態としてはこの通りにならないケースが多いようです。
(本回答は、2024年9月時点でのものです。)
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「障害共済年金は審査が厳しいの?甘いの?優遇されているって本当?」
公務員は働きながらでも障害年金を貰えるの?うつ病(精神疾患)の場合は?
(初診日時点で郵便局のお勤めの方は請求先は国家公務員共済組合となります。)
障害年金の申請手続きは慎重にお進めください。(初診日が郵便局(国家公務員共済)在籍時にある方のご相談・ご依頼は全国から承っております。)
障害年金申請は、形式上は自身でも行うことができます。
しかし、こちらで記載している時間的リスク・書類不備リスクが伴います。
当事務所にご依頼いただくと着手金0円で上記のリスクを取り去ります。
請求者様やそのご家族が経済的不安状態から解放され、療養に専念する為の最適な方法が当事務所にございます。
1.うつ病や双極性障害等、精神疾患で苦しんでいる
2.初めて病院に通った日から1年6月経過している
3.初診日時点で保険料の滞納はほとんどしていなかった。(社会保険加入で働いていた)
4.現在働くことは困難、日常生活も支障が出ている。
1~4に当てはまる方のご相談のご予約は
06-6131-5918まで
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