「単身生活でも障害年金2級はもらえる?発達障害・うつの受給事例で解説」

 

相談者 女性(20代) /無職 / 大阪市
傷病名 自閉症スペクトラム障害・うつ病
決定した年金種類と等級 障害基礎年金2級
その他 #障害基礎年金 #大阪市 #20歳前傷病 #障害認定日請求

症状・経過

正常分娩にて出生し、乳幼児期には言葉や歩行の発達に大きな遅れは見られず、保育園時代までは特に指摘を受けることはありませんでした。

しかし幼少期より対人コミュニケーションが苦手で、集団行動になじめず、保育園ではいじめを受けることもありました。特定の食べ物に強くこだわる傾向も見られていました。

小学校時代は友人が少なく、整理整頓が苦手で生活環境が乱れがちでした。学業面では得意・不得意の差が大きく、授業中も掲示物などが気になり集中できない状態でした。特定の芸能人やキャラクターへの強いこだわりもありました。

小学5年生頃から慢性的な頭痛や肩こりが出現し、6年生時には同級生からのいじめにより精神的な負担が増大しました。この頃には自殺願望をノートに書き残すなど、精神的に不安定な状態が続いていました。また、周囲の視線が過度に気になるなどの症状も見られるようになりました。

中学校入学後は「人の顔が覚えられない」「集団での会話についていけない」などの理由から対人関係に苦労し、強いストレスから自傷行為や抜毛行為が見られるようになりました。大きな音や声にも過敏に反応していました。

高校進学後、新しい環境になじめず、不眠や抑うつ状態が出現。休日は自室に引きこもる生活となりました。高校2年生時には集団行動が困難となり、不登校状態となりました。

平成28年9月9日、高校2年生時にAクリニックを初診。発達検査の結果、自閉スペクトラム症およびうつ状態と診断され、以後、継続的な通院治療を開始しました。

同年12月に通信制高校へ編入し、自宅学習を中心に学業を継続していました。スクーリングには保護者の送迎が必要であり、対人交流はほとんどありませんでした。平成30年3月に卒業しています。

在学中に短期間アルバイトを行いましたが、周囲の視線への不安が強く、1か月程度で退職しました。

卒業後は就職活動を行いましたが、障害者枠を含めても採用に至らず、平成30年6月より母親の勤務先に縁故入社し、座席配置などの配慮を受けながら勤務していました。しかし、その後も複数のアルバイトに挑戦するものの、人間関係や体調不良により長続きしませんでした。

令和1年5月には軽作業の仕事を退職し、家族との同居生活も苦痛に感じ、支障があることから単身生活を開始しましたが、就労は継続できず、仕送りと貯金で生活する状況となりました。

障害認定日時点においても、単身生活ではあるものの、家事や生活管理を自立して行うことは困難であり、家族による定期的な支援を受けていました。通院時もパニック症状が出現するため、必ず母親が付き添っていました。

令和3年9月には環境改善を目的として転居し、同年10月にBクリニックへ転医しました。その後も家族による支援が継続されています。

ご相談いただいた段階でも就労はできておらず、家事全般は両親や兄弟の援助に依存しています。睡眠リズムの乱れや生活リズムの不安定さが続き、日中は無為に過ごすことが多い状態です。対人関係はほぼなく、引きこもり傾向が続いています。

感情の起伏も激しく、現在も自傷傾向が認められています。発達特性に加え、抑うつ状態の影響により、社会生活・就労の継続は極めて困難な状態が続いています。

申請結果

障害年金受給年額:約78万円(障害基礎年金2級) 

遡及額:約273万円(障害基礎年金2級)

社労士の意見・感想 

一般的に、障害厚生年金3級の場合、単身生活であることは大きな不利要素とはなりません。これは障害厚生年金3級の対象が「就労が困難」の方とされているためです。

しかし、障害基礎年金2級や障害厚生年金2級においては、「日常生活が著しく制限されているかどうか」が重視されるため、単身生活は不利に働くケースがあります(特に障害厚生年金の方は顕著です)。

診断書には同居者の有無を記載する欄があり、単身生活の場合は「無」にチェックが入ります。

そのため、単身生活に至った背景や、家族による支援状況を適切に説明することが極めて重要となります。

 

留意事項として、単身生活であっても単身生活をせざるを得ない理由や背景、単身生活の開始時期は考慮要素になります。

また家族からの定期的な援助や福祉サービスの利用があればこれも考慮されます。生活保護に関しても、考慮される傾向があります。

これらで該当する項目がある場合は、診断書の本欄や福祉サービスの利用状況の欄、備考欄に書いてもらうべきです。

また病歴・就労状況等申立書にも記載すべきかと思います。

 

 

本件では、

・単身生活を余儀なくされた経緯
・家族による定期訪問と家事支援
・通院時の付き添い状況
・服薬管理や行政手続きへの支援

などを診断書および病歴・就労状況等申立書に具体的に反映させました。

その結果、認定日請求・事後重症請求のいずれにおいても、日常生活能力の制限が十分に考慮され、2級認定がなされました。

単身生活であっても、実質的に家族の支援に依存している場合には、2級認定が認められる可能性があります。本ケースは、その点を適切に立証できた好事例といえます。

今回のケースでは理想的な結果となりましたが、請求時期や審査担当によっても認定のばらつきが見られる傾向があります。

具体的には、この記事を執筆している令和8年2月時点においても単身生活をしているおり家族の定期的な訪問による家事関係のサポートがあっても3級とされる事例が出ていたり、一方で障害者雇用でフルタイムで就労されている方で特に福祉サービスの利用や家族からの援助がない方でも2級に認定されたりと、「認定がブレている」と感じる認定結果が確認されています。

不可解なものに関しては必要に応じて審査請求を進めていますが、引き続き状況は注視、分析する必要があります。

→本事例のお客様の声はこちら(現在作成中)

障害年金の申請手続きは慎重にお進めください

 

社会保険労務士 濱路陽平
社会保険労務士 濱路陽平

障害年金申請は、形式上は自身でも行うことができます。

しかし、こちらで記載している時間的リスク・書類不備リスクが伴います。

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1.うつ病や双極性障害等、精神疾患で苦しんでいる

2.初めて病院に通った日から1年6月経過している  

3.初診日時点で保険料の滞納はほとんどしていなかった。(社会保険加入で働いていた)

4.現在働くことは困難、日常生活も支障が出ている。

1~4に当てはまる方のご相談のご予約は 06-6131-5918まで または下記からお問い合わせください。