■吹田市 障害厚生年金2級 双極性感情障害「初診は23年前でカルテが残っていなかったが厚生年金2級に認められたケース」

 

相談者 女性(40代) / 主婦 / 吹田市
傷病名 双極性感情障害
決定した年金種類と等級 障害厚生年金2級
その他 #初診日不明 #無就業 #主婦 #第三者証明

症状

平成8年1月頃、父親の死や職場での人間関係のストレスから、日を追うごとに精神的な落ち込みがひどくなっておられました。

当時の職場の従業員健康相談室に行った。初めは産業医による面談と就労に関するアドバイスを受けるのみであったようですが、
その後も症状は回復せず、平成8年の年末頃からは産業医の面談に加えて医師による薬の処方(精神安定剤や睡眠導入剤)が始まりったとのことです。この件について、高校の同級生が東京に会いに来た際に話していたようです。

その後も症状回復せずに退職。実家に帰郷し療養しながら、症状が軽快した際は就労するといったことを繰り返しておられました。

その後ご結婚され、精神的にも大分安定していたようですが、専業主婦であるため、家にいる時間が多かったようです。ご主人の転勤で来阪。環境が変わり、不安感やイライラ感が再燃し始め体重も約20kg程度減少。

発熱もあったことから内科を受診。以前の受診から16年が経過していました。その後総合病院や大学病院、町の精神科など数か所転院を繰り返しておられましたが、症状は悪化傾向にあり、不眠や倦怠感、自傷や自殺企図を疑う行動もみられる状態でした。

申請結果

障害年金受給年額:約158円(障害厚生年金2級) 

社労士の意見・感想 

ご主人と一緒にご来所頂いた際、杖をついておられ、会話もご主人主導でなければならない状況であり、通院先も診断書を書き慣れている先生であることを考慮すると、2等級認定である可能性は高いと考えておりました。

当初お話しいただいた通院歴では、初診は発熱時の内科(国民年金加入時)で認識されていましたが、ヒアリングを進めていくと平成8年頃に通院歴があることが判明しました。町の精神科クリニックの前に会社の従業員健康相談室に行ったとのことです。ここで医師による診療は無かったとのことでしたので、次の精神科で受診状況等証明書を取得する必要がありました。

当時は関東に住んでおられ、病院名の記憶が定かではではありませんでしたが、最寄り駅の名前は覚えておられました。インターネットで駅名と精神科で検索すると数個の精神科がありましたので一つ一つ病院名と医師の名前、HPの待合室の写真をお見せしていく地道な作業を要しましたが、心あたりのある病院名(Sクリニック)がありました。約23年前ですのでカルテがあるかはかなり不安でしたが電話をかけて頂くと残っていましたので受診状況等証明書を依頼しました。

受診状況等証明書上でも従業員相談室ではカウンセリングのみの記載であった為、再度Sクリニックで認定日の診断書を取得したところ、通院歴の欄で「従業員健康相談室では、医師による抗不安薬の処方も行われていた」との記載がありました。こうなるとSクリニックが初診では無くなり、医師の診察と処方があった従業員健康相談室が初診病院となります。(障害年金の「初診日」とは、初めて医師の診療を受けた日とされているためです。カウンセラーによるカウンセリングだけですと、これにはあたりません)

当時の勤務先に連絡しましたが、記録は残っておらず、初診医院での受診状況等証明書は断念する形となりました。

しかし、受診状況等証明書では「平成8年」と明記されており、この期間はどこを取っても厚生年金加入中であり、納付要件も問題ありませんでした。

さらに、当時の従業員健康相談室への通院について、ご友人2名に話をされていたとのことですので念のため第三者証明を依頼。

現症の診断書は主治医に依頼し、病歴・就労状況等申立書では特に初診日周辺の時系列をかなり詳細に記載しました。

審査は3か月半程度かかりましたが、無事2級となりました。(認定日はフルタイム就労中であった為、不支給)

今回のケースでは、「初診日の月日までの特定困難」や「社会的治癒での申請」等、様々な要素と可能性を検討する必要がありました。医証の取得の内容確認後でも、申請方法を軌道修正したりとかなり臨機応変な対応が求められましたが、「厚生年金2級認定」という最善の結果を得られ、依頼者様にも喜んでいただき、何よりでした。

 

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