■大阪市 障害年金 双極性感情障害 「初診は15年以上前であったが5年遡及が認められたケース」

 

相談者 女性(30代) / 無就業 / 大阪市
傷病名 双極性感情障害
決定した年金種類と等級 障害基礎年金2級
その他 #無就業 #遡及請求

 

症状

専門学校在職中の平成14年頃に卒業後の就職先の介護施設に実習に行っていたが、採用取り消しの通知を受け、就職活動を再開するも上手くいかず次第に不安感やストレスが増大していき不眠も出現、感情が昂り深夜歩き回るなどの行動が増えておられました。ある日、午前2時に駅で倒れており救急搬送、精神科を受診し入院することになりました。

その後も入院や就労等、症状の好転を繰り返しておられたようですが、躁状態のときには夜中にあてもなく歩き回ったり電車で駅の終着点まで行き保護される等のエピソードがあったようです。

症状が10年以上長引いていることから、主治医から障害年金の申請を勧められたことで障害年金の存在を知りご家族と市役所に行かれたようですが、職員の制度と申請手順の説明がわかりにくく、逆に精神的にストレスとなり症状が悪化、入院する事態となってしまいました。その後ある程度容体が落ち着いたところで当事務所にご家族様とご相談いただきました。

申請結果

障害年金受給年額:約78 

遡及請求額:390万

※遡及請求とは
遡及請求とは、初診日から1年6ヶ月経過した日である障害認定日時点に、なんらかの理由で請求されなかった場合に、障害認定日から1年以上経過した後で、障害認定日時点に遡って請求することをいいます。

 

社労士の意見・感想 

初診は15年以上前でしたが一貫して同じ病院でしたので、診断書の作成に取り掛かることになります。この時注意したいのが、次回通院時に本人様より念の為、前医が無いかの確認を主治医にして頂くことです。ご本人の記憶では転院経験は無かったが、ふたを開けてみると前医があった、内科経由できた、となると認定日が変わってきますので診断書の取り直しが必要となり、余計な時間と費用が掛かってしまいます。(過去にこのケースがありましたが、初診日は数日しか動かなかった為、認定日の診断書は再取得は免れました)

今回は上記の確認の結果、本人様のご記憶通りであり認定日時点でも通院されていましたので各診断書は当事務所の依頼状で問題なく取得できました。

病歴が長く、入院や短時間就労を繰り返しておりましたので病歴・就労状況等申立書の作成のためのヒアリングは入念にさせていただきました。特に就労していた時のきっかけや体の調子や退職理由、入院に至った経緯などは詳細に記載し、通院歴との照合も入念に行いました。

請求後、2月半で認定日分、現症分ともに2級での認定され最良の結果となりました。

今後はしばらく療養に集中し、近い将来には再び短期就労に臨みたいとのことですので、それまでは年金が経済的な補てんになればと思います。