障害年金をもらうための重要な4要件

障害年金をもらうためにはいくつかの条件がありますが、ここではその中で最も重要な3要件について説明します。

 

①初診日要件

国民年金、厚生年金、共済年金に加入していた期間中に、その障害の原因となった病気やケガを医師歯科医師に診察してもらっていることが必要になります。まさに「保険」の考え方です。

この診察を受けた日を「初診日」といいます。誤診を受けた日、過去の傷病が治癒し、再発した場合は再発し、医師や歯科医師の診療を受けた日も初診日とみなされる場合もありますので注意が必要です。(【重要】2019年11月7日のニュースにもあった通り、2019年に入って初診日を「確定診断が出た日」とするケースが出始めています。)

20歳未満のころからの傷病により障害の状態になった場合や、国民年金に加入したことのある人で、60歳から64歳までの間に初診日のある傷病により障害状態になった場合は、障害基礎年金の対象となります。

この「初診日」がいつか、によって「障害年金がもらえるか?」「もらえるのならばいくらもらえるのか」が決まってきます。

初診日は請求者側で証明する必要があり、これが証明できないといくら症状が重くても障害年金は受給することができません。障害年金請求における、最初のハードルと言えます。

 

②保険料納付要件

保険料納付要件が満たされないと、この病気やケガを原因とする障害年金はもらえないので、これも大変重要な要件です。

初診日の前日において、初診日の属する月の前々月までの被保険者期間のうち3分の2以上の期間が以下のいずれかを満たしていることが要件です。(病気やケガになってから急いで滞納分を納付しても無効であるという目的で、このような複雑な要件になっています)

・保険料を納めた期間(会社員や公務員の配偶者であった期間も含まれます)
・保険料を免除されていた期間(所得によっては免除が可能です)
・学生納付特例又は若年者納付猶予の対象期間(学生や若年者は条件によっては免除が可能です)

要するに、これまでの被保険者期間のうち3分の1を超える期間で保険料が違法に滞納されていなければ大丈夫です。

ただし、上記の要件を満たせない場合でも、特例として令和8年3月31日までに初診日がある場合は、直近1年間に違法に滞納されている期間がなければ保険料納付要件を満たしたこととされます。(今まで違法に滞納している方でも、今からでも納付を始めると1年後にはこちらの要件を満たすことができます。また、会社員になって1年以上(正確には14ヶ月)経過した時点で初診を迎えると、会社員になる以前の期間が全て滞納であっても要件を満たします。)

このため大学生時代は保険料の免除申請を忘れずにすることが大切です。学生だからといって保険料を滞納していると、仮に卒業してすぐ大きな事故で重い障害を負っても保険料納付要件に引っ掛かり障害年金はもらえなくなってしまいます。

なお、20歳前の傷病により障害状態になった方については、保険料納付要件は問われません。

また、中学や高校卒業後の10代から厚生年金加入していた方で初診を迎えた場合は厚生年金での請求となります。

 

③障害認定日要件

障害年金をもらうためには障害認定日に到達していることが必要です。

障害認定日とは、初診日から起算して1年6か月を経過した日、または1年6か月以内に傷病が治った場合はその治った日(傷病が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日を含む)をいいます。

ただし、以下の場合、特例として1年6か月待つことなく請求手続きができます。(精神疾患にこの特例はありません。)

  •  人工透析療法を行っている場合は、透析を受け始めてから3か月を経過した日
  •  人工骨頭または人工関節を挿入置換した場合は、挿入置換した日
  • 心臓ペースメーカー、植込型徐細動器(ICD)または人工弁を装着した場合は、装着した日
  • 人工肛門または新膀胱の造設、尿路変更術を施術した場合は、造設または手術施行の日
  • 切断または離断による肢体の障害は、原則として切断または離断した日(障害手当金または旧法の場合は、創面が治癒した日)
  • 喉頭全摘出の場合は、全摘出した日
  • 在宅酸素療法を行っている場合は、在宅酸素療法を開始した日
  • 脳血管疾患による肢体障害等であって、初診日から6か月経過後の症状固定日(初診日から6か月経過で一律障害認定となるわけでなく、診断書等に「症状固定」や「回復見込みなし」等の記載があれば、例外的に障害認定の審査がうけられるもの)
  • 人工血管または人工心臓(補助人工心臓含む)の装着、または心臓移植の施術を受けた場合は、装着または施術の日
  • 現在の医学では、根本的治療方法がない疾病であり、今後の回復は期待できず、初診日から6月経過した日以後において気管切開下での人工呼吸器(レスピレーター)使用、胃ろう等の恒久的な措置がおこなわれており、日常の用を弁ずることができない状態であると認められるとき
  • 遷延性植物状態については、その障害の状態に至った日から起算して3か月を経過した日以降に、医学的観点から、機能回復がほとんど望めないと認められるとき

この障害認定日に一定の障害状態にあると認められると、その翌日から年金が支給されます。これを、障害認定日請求と呼び、もし請求が遅れても最大5年遡って支給されます。

障害認定日には障害等級に該当しなかった場合でも、65歳の誕生日の前々日までに症状が悪化して該当すれば、受給できるようになります。

これを、事後重傷請求と呼び、認められると請求した翌月から年金が支給されます。ただし、請求する日までに障害状態に該当していたとしても、その期間の分は遡っては支給されませんので注意が必要です。

 

請求時点が障害認定日から1年以内であれば、障害認定日から3か月以内の日付の診断書があればOKです。(障害認定日から1年経過していないが、認定日の頃より現在の方が症状が悪化している場合は、現在の診断書を取得したほうが良い場合があります。)

「障害認定日から1年経過していなかったが、請求時点の診断書を取得したケース」

④等級要件

③の障害認定日において、一定の障害状態にあることが問われます。等級は1~3級の数字が定められていますが、障害基礎年金での請求の場合は1~2級が適用となり、3級は適用されません。また障害手当金もありません。

▶等級・障害の程度の確認

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